中医学養生法〜夏を快適に

消化の良いものを食べ、身体を冷やさない。
じんわりと運動で汗をかく。
よく寝る。

梅雨の季節ももうすぐ終わり、夏本番を迎えます。この時期に中医学的に言う「養生法」=カラダが病気にならないよう、事前に予防し、いい状態に整える方法をご紹介します。太極拳も基本的には、病気になる前から、未病の状態から、心身を整え、いい循環にみちびく考え方です。

皆様に来ていただく「さく森スタジオ」では、冷房を直接に当たらないように、いろいろな工夫をしています。無垢の床、風通しの良い天井、大きな窓、自然とつながる緑が目の前にという。そんな中で、涼しく身体を動かし、じんわりと汗をかき、内臓を温めていただく、心身を整えるというのがモットーです。

なぜ、直接に冷たい風に当たらない、冷たい物を飲まないように、なぜ身体をじんわりと温めた方がいいのかについて考えてみましょう。中医学では、冬の病気は夏の冷えから来ている、冬の病気は夏の間に直す、「冬病夏治」と言われています。夏の間に身体を冷たくしたり、湿気を溜めたりすると、冬の間にその悪い影響が浮き上がってきます。つまり、夏に快適に健やかに過ごすのが一年間で健康的に生きるためのキーポイントとなります。

まずは「胃腸の巡りをよくしたい」です。梅雨という日本の気候は6月中旬〜7月中旬ぐらいに続きますが、この時期に、湿度が高くてジメジメし、「湿邪」(shi xieしつじゃ)という気が不調を起こします。体内に湿(滞った水のようなもの)がたまると、めぐりが悪くなり、胃腸が弱くなります。その状態で、冷たいものを口に入れたり、冷たい風に当たると、さらにめぐりが悪くなり、胃腸が悲鳴をあげます。

次に「脾臓の調子を整えたい」のです。中医学では、消化器官の中で、脾臓は一番湿気に弱いと言われています。風邪は「脾胃不和」からというふうに、脾臓と胃腸の調子が乱れることから、風邪になると言われています。子どもはよく、冷房にもあたり、冷たい物を食べ、翌々日に咳が出ることが多いのです。
時々、発酵食品やスパイシーなものを食べ、水はけがよく、湿を取り除くようにしたいものです。揚げ物や冷たいもの、甘いもの、しょっぱいものを避けましょう。あっさりとした、温かいものを食べたいものです。

最後に、定期的にじんわりと汗をかく運動をしましょう。「さくもり」に来られない日々には、動画を活用してみてください。胃腸の負担とならないものを食べる、汗をじんわりとかく運動をする、よく寝ましょうね。

中国版「医食同源」 食養生のための食材ガイドを共有します。映像は派手ですが、内容はグーです。日本語で小さく説明を加えています。

へちま、冬瓜、ゴーヤ
鶏肉、羊肉、豚足
黒豆、小豆、緑豆